治験バイトというと、なんとなく「男性向けのアルバイト」というイメージを持つ方は少なくないのではないでしょうか。
実際に被験バイトの募集欄には「男性限定」と記載されている案件も多く、女性向けの案件は男性と比べ少ない印象です。
しかし、治験バイトの中には性別に限らず参加できるものもあり、比較的女性が参加しやすい案件も存在します。
「女性が参加できる治験バイトにはどのようなものがあるのか」という疑問について、詳しく解説します。
女性が参加できる治験募集は少ない?
治験とは、開発中の新薬の安全性を確認するために行われる臨床試験のことで、治験バイトとはその治験の被験者として参加することをいいます。
実際のところ募集中の治験バイトの応募条件を確認してみると、20〜40代の健康な男性を募集しているものが多く、女性が参加できる治験は男性と比べると少ない印象を持たれるかもしれません。
その理由としては、女性は男性と比べてホルモンバランスが崩れやすく、治験において正確なデータが収集しにくいことが挙げられます。
また、治験参加時に妊娠をしていると胎児へどのような影響を与えるかが分からないため、女性の参加を避けるケースもみられます。
しかし、治験の中には女性の参加を求める案件もあります。女性だからこそ求められる治験には、月経痛や子宮内膜症などの女性特有の病気に対する新薬の治験があります。
また、加齢とともに女性ホルモンの分泌量が変化することで生じる更年期障害や骨粗しょう症、生活習慣病などに対する治験も女性を対象に募集しているケースとして挙げられます。
どんな治験に参加しやすいの?
治験バイトの応募条件は、治験の種類や内容に応じて性別や年齢、疾患の有無など様々です。
女性が参加しやすい治験では、持病がある方を対象とした通院タイプの治験、サプリメントや健康食品などのモニター、化粧品モニターなどが挙げられます。
持病がある方を対象とした通院タイプの治験は、基本的に性別を問わず男女ともに募集されることがほとんどです。そのため、特定の疾患や特徴的な症状がある方であれば、女性でも参加しやすいでしょう。
また、女性特有の病気となる月経痛や過多月経、子宮内膜症などに対する通院タイプの治験は、むしろ女性しか参加できない治験となります。
通院タイプの治験は、入院を必要とする治験と比べて参加期間が短く、負担が少ないです。若い方だけでなく40代や50代の女性でも参加しやすい治験となります。
また、サプリメントや健康食品などの治験モニターも、女性が参加しやすい治験のひとつです。
サプリメントや健康食品の治験モニターでは、食品の品質や安全性、効果などを確認して国から承認をもらうために実施されており、承認に必要なデータを提出し承認されることで特定保健用食品(トクホ)として販売することができます。
健康食品などのモニター治験でよくある募集例では、血糖値改善の効果を確認するモニターや腹部内臓脂肪の低減効果を確認するモニター、サプリメントを継続して摂取している方を対象にした肌モニターなどが挙げられます。
なお、これらの健康食品モニターでは、実際にサプリメントや健康食品を摂取するほかに採血などが伴うものもあります。
女性が治験に参加するときの注意点は?
前提として、性別問わず治験に参加する際に注意すべき点は、治験で想定される副作用などのリスクを理解し、気になる疑問は解消したうえで治験に参加することです。
治験は開発中の薬を人に投与し有効性などを確認するための臨床試験であるため、必ずしも健康へのリスクがないとは断定できませんが副作用やリスクに対しては、治験のルールに基づき被験者にあらかじめ「補償」の制度が設けられています。
女性限定の治験募集の場合、治験内容によっては、参加条件にBMI制限があるものや年齢制限の他、「正常な月経周期であること」や「閉経前」であることなど条件がある場合もありますのでよく確認して参加することが大切です。
これらの治験の内容、想定されるリスクなどについては、治験開始前に必ず製薬会社による説明会で詳しく説明がなされています。治験参加を決めるのは被験者本人であり、治験内容に不安や心配がある場合は参加取り消しも可能です。
治験参加を検討している場合は安全性とリスクの両面から確認しましょう。
化粧品のモニターもおすすめ!
被験者を募って薬の効果を確認する治験は、限りなく安全に進められるように段階を経て実施されていますが、100%被験者にとってリスクがないわけではありません。
そのため「治験バイトに興味はあるもののリスク面が不安」と思われる方もいることでしょう。そのような方におすすめなのが、治験バイトよりも手軽に参加できる「化粧品モニター」です。
化粧品モニターは開発中の化粧品を販促する際に、エビデンスとなる効果や安全性を立証することを目的に実施されています。
例えば、新商品のアイクリームを販売する際に「目元のハリが改善」という文言をキャッチコピーとして打ち出したい場合、薬事法に違反しないためには化粧品メーカーはその証拠となるデータを収集する必要があります。
化粧品モニターの具体的な内容としては、新商品の化粧品を実際に試して「レポートを提出する」「自身のSNSやブログなどに指定のハッシュタグを用いて投稿する」などの方法により、使用感をレビューするといった内容になります。
アンケートなどの内容にもよりますが、モニターとして参加することにより謝礼金がもらえるケースも多いです。
また、化粧品モニターの中には通院にて肌の診察を受けながらモニターに参加するといった内容のものもあります。
通院によるモニター参加は、簡単なアンケート回答とは異なり治験と同様に負担軽減費として謝礼金が支払われるため、報酬額も高めとなる傾向にあります。
なお、一般的に化粧品モニターは男女ともに募集がありますが、新商品の化粧品を試せるということもあり、美容に興味がある女性や美容感度の高い女性にはとくにおすすめです。
まとめ
治験バイトは女性でも参加可能です。
その一方で、未承認の薬を試すことによる健康へのリスクも十分に理解しておくのが必要です。とくに、女性はホルモンバランスの乱れによって、治験中に副作用が出る可能性もあり、女性の参加を控える治験も存在します。
しかし、この女性特有の病気や症状を改善する目的で開発されている薬の治験においては、治験バイトに参加する女性の存在は必要不可欠です。
過多月経や子宮内膜症に悩まれている方や、更年期障害でつらい思いをしている方にとって、効果が期待できる薬の治験に協力することは社会貢献にもつながります。
女性が参加できる治験バイトは決して多いとはいえませんが、全国的に常時募集はあります。治験に興味がある方は応募条件をよく確認して、自分の条件に合った治験にご参加ください。