治験バイトってどうなの?
「治験モニター」と聞くと、未承認の医薬品を試すという不安感もあって、なんとなく男性向けのバイト、というイメージでした。
ところが意外なことに・・。
これまでの治験はボランティア(有償)という位置づけのため、知る人ぞ知るという存在で、一部の主婦層が参加している程度でした。しかし昨今では、新型コロナによるさまざまな状況の変化から、治験モニターへの関心が高まってきており、実際、女子学生、主婦、パートさん、派遣さんなど、治験に参加する女性が増えているのです。
治験バイト、参加のメリットは
ボランティアなのに高額の支払い
まずは、比較的軽い労働に反して高額な協力金がいただけることです。治験に参加する場合、時間や労力・行動の制限、交通費などの負担や経費が発生します。そのため、負担を軽減する目的で「負担軽減費(協力金とも呼ぶ)」が治験実施施設から支払われます。
負担軽減費は、通院タイプの治験で一日平均7,000円から10,000円。入院タイプなら一泊約 10,000円から20,000円となっています。
病気の方には最新の治療を試すチャンス
治験によっては、健康な人が条件であったり、特定の疾病がある人を募集したりします。病気の方にとっては最先端の治療や新しいくすりを試せる機会となります。今までの治療法に満足できない患者さんには大きなメリットになります。
専門医による精密な検査が受けられる
治験モニター開始前に、必ず健康診断があります。普段の検診ではできない詳細な内容で実施するため、ご自身の健康状態がよくわかります。また、専門医による問診もあり、疑問や質問にきちんと対応してもらえるため、健康な方にも、持病のある方にも大きなメリットであるといえます。
治験バイトで社会貢献ができる
一つのくすりを完成させるまでに、早くても9年ほどかかると言われています。長期間、くすりの効果や安全性の確認・予測を繰り返し、最終段階で実施するのが治験です。治験はくすりを創るという意味から「創薬」と言われるステップのひとつになりますが、治験なくしては、ひいては治験モニターなくしては、くすりが世に出ることはできません。大勢の患者さんが待っている次世代のくすり開発の手助けができる・・・治験バイト(治験モニター)によって社会貢献ができることも、メリットの一つだと考えられます。
女性が対象の治験バイト、あります
通院タイプの治験
女性ならではの病気や生活習慣に合った治験があります。一例をあげておきます。
過多月経試験
20〜48歳で経血量が多い方や過多月経診断がある方対象。事前検診を受けて、高度貧血であれば4カ月の間に10回程度の通院を行う
更年期障害試験
40~64歳でほてりや発汗を感じている方対象。約1年3カ月の間に15回程度の通院を行う
このほか変形性ヒザ関節症試験・骨粗しょう症試験・糖尿試験・避妊リング試験などが実施されています。
子どもと一緒に治験バイト
小児アトピー性皮膚炎試験、小児てんかん薬試験、小児用錠剤やカプセルの形状試験、小児用ワクチン、抗生物質試験など。治験のほか、おむつモニターや小児用シャンプーモニターなどもあります。
入院タイプの治験
比較的自由時間が取れる方は入院タイプの治験でしっかり収入を確保するのもいいですね。
手軽なところでは2泊3日(有給を1日取る)、4泊5日というような治験がたくさん実施されています。
長期の治験バイトとしては25日泊というのもあって、かなり高額の負担軽減費がもらえます。長期休みのある女子学生の皆さんや自由時間のある方におすすめです。
ほかにも、副作用の心配が極めて少ないジェネリック医薬品の治験も気軽に参加できて良いでしょう。
治験についての詳しい情報は公的サイトで公表されている情報もご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu.html